時代に合ったコンテンツの文法を作る

新たなフォーマットが生まれるときというのは、大体その前身となる、自然発生的なフォーマットが存在していると思っている。

要はBlogの前にWeb日記があっただろとかその程度の話なんだけれど、出始めの頃は「これでいいじゃん」感が叩かれやすかった気がする。

iPad向け電子書籍とかは、ビデオ入れたりインタラクティブだったり色々試みられているけれど、飛び出す絵本なんかと一緒で、リッチすぎてコストかかりすぎるし市場も狭い。こういうのが売られている一方で、ガラケー向けのこれでいいじゃん的なコンテンツが大量に流通しているわけで。可能性を追求するのはいいんだけど、拡張しすぎたあまりに方向性を見失ってしまってはいけないんじゃないか。可能性よりも、大幅に割り切ることが必要なように思う。

コンテンツの文法というのはとにかく簡単なルールに沿うべきだなということを最近思っている。言語は伝達という目的さえ果たせればそれ以上にルールを複雑化させる必要はないわけで、あとは構造を作れるようになってさえすれば、どんな用途に向けても十二分に活躍出来る。

その時代に草の根から出てきたニーズの芽を、これでいいじゃん的な割り切りとともにリリースするのが、革新と呼ばれているのだと思う。

展開の順序を考える。

1.今の時代の、下世話(a.k.a キャッチー)なニーズを、個人サイトのコンテンツやTwitterの草の根企画などから拾い上げる。

2.テーブル二つ程度のしょぼいWebアプリとして設計する。あれもこれも必要、というフルスタックで作りたくなる欲求を捨て、まぁこれでいいか程度で作る。ただしパーツとして利用されることを意識して、各コンテンツにパーマリンクが付くようにする。囲い込まない。

3.関係各所に迷惑を掛けないように、XSSとインジェクションのチェックをする。

4.各Viewを作る。トップページ、ユーザページ、コンテンツへの個別ページで十分。

5.UIを作る。説明書の代わりに、例題を用意する。例をいじくることでコンテンツを即デプロイできるようにする。

6.ほどよい脱力感のある名前を付けてリリース。

構造については、WebのURLと、リンクという仕組みが担保してくれているし、あとはDBが適切に設計されていれば、ミクロな構造はそれらしくリンクするし、APIでそれをそのまま外だしすればいい。けどまぁユーザが増えてからでもいい気はする。