ゲーム制作に使える大学知識まとめ

個人でゲームを作るのであれば必然的に学際的になるであろうという考えのもと、どんな知識がゲームに関連する可能性があるか、というのをまとめておく。正確ではないし最新の動向など知らない。うまいことまとまったら別の所で公開するかも。

大学で学べる分野のマップまとめ 

心理学

一番自分が詳しいというか専攻していました。ダントツで使えるのが「脳科学」。次点で「認知心理学」とか「産業心理学」だが、認知はちょっと基礎研究すぎるかも。「臨床心理学」はネタ元としてはいいけど基本的にポエムだと思った方がよい。

脳科学はもう医学の方が大分強いので気になるなら医学生になればいい。ご存じPETなどの金ドブ技術による脳機能イメージング研究が行われている。ただ必ずしもゲームのEnjoyness測定に脳の活性まで取らなくていいという話はあって、唾液の成分分析とかを指標に使ってる研究もあるらしい。ヘッドギア型脳波測定は精度が怪しいので安易に手を出さないように。

産業心理学は、社会心理学+認知心理学の応用といった感じで、スーパーでモノを買う人間の行動分析なんかをやっている。社会心理学は噛んでいる人たちの素性の悪さもあって、トンデモ研究が結構あるんだが、産業は売れるか売れないか、働くか働かないかという指標があるのでそこそこ面白いと思う。

臨床心理学は、フロイトとかユングとかロジャースとかいるが、主観で言うと、フロイトは今で言ったらはてなやってそう。ユングはTwitterで鍵かけてポエム書いてる系。ロジャースはlifehacker系。シナリオのネタ元にはいいのかもしれない(ユングの元型理論なんかは、神話の分析が元になっている)。

発達心理学は、よく引用される「マズローの欲求段階説」があるけれどあれも根拠的にどうかという議論があるので、したり顔で語る時は気をつける。あれは人をdisる時に使うものであって、一応成長しきった人間であるところのゲーマーには適用できない。

芸術学

哲学分野を除けば、大体見た目に関連する分野。はやり廃りはあるけれど、ゲームで使う芸術表現は一世代古くたって何の問題も無いので、勢いよくパクるべき。

絵画はもうやり尽くされている感があるので、ジャケットアートなんかのパロディ元くらいにしかならないと思う。みんな大好きICOなんかもキリコのパロディが使われている。黄金比を始めとする構図に関する研究がされているので参考にするとよい。あとは色彩表現のネタ元にする感じかな。絵画についての基礎的トレーニングには「ワコムアカデミー」がいいと思う。もっとみんなデッサンが出来てもいいような気はしているので。

彫刻は結構ネタ元として優秀だとは思うんだが、いかんせん取り上げられにくい。3Dプリンタなどを使った、アルゴリズム彫刻が結構熱い。本も出ている。

空間デザインはLED照明やELが出てくるに当たって、かなり重要な分野だと思うんだが、今のところ学問化されてはいないらしい。ブランドショップの内装を見るのが一番早い。インスタレーション系の展示会に行くのもよい。

グラフィックデザインは何故かタイポグラフィと一緒になって語られているので、両方の重要人物を抑えておくといい。グリッドレイアウトやフォントの歴史を勉強すると基本は抑えられる。デザインを洗練させすぎると、デザインの実験性が鼻について、ゲームの面白さからは遠ざかる気がするので、どや的なデザインはしない方がいいと思う。空気のように意識されないデザインが最もよいデザインとはよく言われている限り。

デザインについて新しめの情報を入れたい場合、安藤日記を参照することが多い。

色については佐藤可士和の「色はコミュニケーション」のような考え方が役に立つ。カラーコーディネートについては色彩の調和とか反対色とか色彩理論はあるけれど、教科書通り作ると見事にダサい感じになるので、おとなしく一線の作品からスポイトした方がいいと思う。モノが出来てからでないと、色の善し悪しはわからんもんで、頭でっかちに考えるとベストな選択肢を見逃してしまう。

音楽についても、プレイヤーとは保守的なもので、一昔前のモノを求めていたりする。最先端まで追う必要はない。でも想定プレイヤーより一歩時代を進めるほうがいい。モダンなテクノはDJMIXを前提に作られていたり、クラシックは形式そのものが規定されていたりするので、ゲームにもその辺りの知識が反映されるとよい。

映像は国内でもモーショングラフィックスが人気だが、海外ではごく普通の広告手法なので海外CMでも見ていればいいと思う。アニメーションは国内に蓄積もあり教材もありなのに、ゲーム作る人はあまり勉強していない。絵が描ける描けない関係無く、どう描けば動いて見えるのかは知っておいて損はない。

映画もゲームのパクリ元として再有力なもので、メタルギアなんかはそうだし、ムービーは極力ゲーム内から省く方がよいとおもうけれど、それでもいい演出手法は知っておくべき。 この辺のノウハウはハリウッドが持っており、ハリウッド理論を勉強しておくといいかも。Pixerのシナリオ手法も有名。

ダンスは、モーションの参考になるので、気に入るものをいくつかブクマしておくといいかも。肉体的な感覚はアニメーションの作り方に結構フィードバックされるので、自分でやってみるのもいいと思う。

情報科学・数学

数学からは、カオスやフラクタル、セルオートマトンなんかがよくネタにされていると思う。どれも人間が制御することは難しいものなので、どこに適用するかが結構難しい。

遺伝的アルゴリズムも、デモとしては頻繁に使われているネタで、アルゴリズムに対して適者生存をかけるもの。

他にも、AIやパターン認識なんかもよく研究されている分野。

ユーザビリティは、新しいものを作る為の勉強というよりも、当たり前のインターフェースを実現するために勉強したほうがいい。Appleのガイドラインが参考になる。

建築

構造に関する基礎知識や、空間の位置づけの議論が、マップの肉付けに役立つ。SF的な構造物を作るのであれば、構造的に説得力のあるものにしておきたい。

書き出してみると、結構狭いな自分。映画のことなんてほとんど知らんし。息切れ気味だけど、記事にする際はもうちょい調べて肉付けする。