電子書籍の先

電子書籍に及び腰な出版社や著者を批判するのは簡単だけど、返本制度にしろ既存の商慣習が気に入らないなら、新しいマーケットを立ち上げて、参入してもらえばいい。著作者がどういう対応を取るかは外部がどうこう言える話じゃないんじゃないか。

大体電子書籍の未来はWebにあるのであって、Web上の執筆活動で食える人が出てこないと、電子書籍の未来が明るいとは言えないだろう。

ところが、実際はWebで書いていた人が書籍で書き始めるようなパターンが多いように思える。

Web出版の未来を体現できなくては、出版社が本腰を入れることはありえない。EPUBのような、消費者が選ぶ必然性がなく、おまけにコストがかかるものではだめだ。編集も必要になるだろう。Web上でコストを下げつつ、お金を払ってもいいと思えるコンテンツを作るにはどうしたらいいのか?

DLSiteとその流通しているコンテンツの内容に注目すべきと考えている。コンテンツの内容は簡略化され(ほぼCG集とか)、ニッチ向けの書籍が安価に売られている。これなら編集者いらないし。レイアウトだってないようなもので、単にhtmlやjpgをzipで固めて配布している所だってある。EPUB決めなきゃ、という発想自体がかなり守りに入っていると思う。

本業の人を古いとバカにするんじゃなくて、本業の人からバカにされる位の新しい仕組みを作るくらいじゃ無いと、何も変わらない。電子書籍で世の中変わる!みたいに言っている人は携帯小説くらい読んでいるのかよと。自炊の人権を守るのも悪くはないけど、本棚問題くらいしか解決しないし、その対象になるのも優良顧客とはいえ相当なニッチ層なので、この資本主義下でそこまでのサポートを出版社に期待するのも難しいとおもいねえ。

あと漫画のフォーマットの変化について。ストーリーのある四コマ(つまり四コマの必然性のない四コマ)が隆盛している理由は、そうした方が執筆側の労力が軽減されるからなんだと思う。よく考えてみると、4コマという形式はかなりWeb向きだ。現金な話、四コマ10本100円位で売れるのかなぁと。